鎮静法の種類静脈内鎮静法1万円

静脈内鎮静法は治療ストレスから解放

鎮静法では全身麻酔と違って意識を残している

通常鎮静法は笑気ガス吸入 静脈鎮静の2種類が有る
笑気ガス吸入鎮静は30%程の濃度で行う。
利点は導入覚醒が速やか、鎮痛作用を有している。
(15mgモルヒネ程度)手軽に扱える。
欠点は健忘効果は少なく、交感神経が刺激されて血圧 脈拍の上がる人がいる。恐怖感が強い人や吐き気の強い人には適さない、高血圧等の人には血圧を過度に上げる事が有ってやめた方が良い。
手軽に行えるのが利点で素人でも出来るのが利点の鎮静、感覚は人によって違い全く無反応からウイスキー10杯程飲んだ様な泥酔の人まで様々。(ウイスキーはお好きでしょ♪)

静脈内鎮静法 (静脈注射 静脈からの薬剤点滴)

鎮静剤や麻酔剤を静脈から注射あるいは、点滴投与して行われる
それぞれ好きな手法が使われている。
もっとも手軽なのは、私はジアゼパム10mg投与して、鎮静を図る
長ければペンタジン15mgを追加鎮静と鎮痛を図る方法。
チオペンタール イソゾール等の長短時間型のバルビタールを追加するのも良い方法。迷走神経反射防御でベラドンナ剤のスコポラミン等も健忘効果を増加させる。ミダゾラム等も利用される。
最近はプロポフォールが出てきたが薬剤が高すぎる。
鎮静で注意する点は、全身麻酔と違って意識を残して、反射を残している事、手術部位と気道が一致しているので。物が口の中に落ちた時吐き出せないと危険。つまり鎮静が強すぎると気道閉塞起こして危険。(麻酔だけ担当している歯科医が鎮静すると、術者の事を考えず鎮静が深くなる可能性が有り、手術がしづらくなるかもしれない。良い静脈内鎮静法は手術の記憶を残さず、口腔内の反射を残して、術者の指示にある程度従ってくれる状態)
アミド型リドカイン(キシロカイン)の極量(1回使用量)はボスミン混入(1/8万)で約500mg(10mg/kg)
2%を歯科では使用するのでカートリッジは約2ml(正確には1.8ml)1mlに20mgで2mlで40mgになるから10本位までの浸潤麻酔での手術が安全 奏功は1時間~2時間位で人によって違いがある。時間を空けて以後浸潤麻酔を足していく。
静脈内鎮静は1時間位効いていて以後覚めてくるのが理想インプラント10本程で簡単な症例では
30~40分程で植え込み、縫合が10分程で大体浸潤麻酔と静脈内鎮静の時間的タイミングが合う(合計1~1.5時間)

私は局所麻酔薬の中毒の経験は無いが下記の症状
中枢神経系の症状は不安、興奮、ふらつき、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、
視覚障害、聴覚過敏、耳鳴、振戦等
血圧低下、徐脈、心筋収縮力の低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、
心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等
歯科医は大学で点滴や薬剤の注射についての知識は習わない。(実際薬剤がどういう働きで、どの様に使用するか理解している人は極少数)
ですからインプラントを行っている歯科では、歯科麻酔のアルバイトを呼んで行っているのでバイト代に3~5万円払う、鎮静費用が5万円以上になるのが現状。(知り合いの診療所でも8万円)
ですからいくら保険適応(3千円位)していてもバイトの歯科医を3~5万円払って行う歯科医院は有りません。(3万円払って3千円貰う人いますか?)また患者によって2時間位寝てしまう。私を含め可能な歯科医でも採算を無視した保険点数では行いません。現状無視した鎮静代3千円(原価を計算するとそれ以上)で保険適応しているのは不思議だし誰も行わない。
保険で目立つ事を行なうと、審査から目を付けられて指導を受けるから余計な事は行なわない。以前歯から来ている上顎洞炎で大きなのう胞を摘出して、全部否定されえらい目にあった記憶がある。
平成204月から、健康保険において「歯科治療時の静脈内鎮静法」に120点の算定が可能になった。
しかし、実際は開業歯科医師で静脈内鎮静法を実施した経験のある者は、ほとんど存在せず、あまり普及していないのが実態である。
一部、インプラント治療を積極的に行っている歯科医院では、治療時の痛みや恐怖感を和らげるために、あるいは術中の全身管理のために,歯科麻酔科学を会得している者を臨時で雇い入れ、静脈内鎮静法を実施しているところもある。しかし、その場合、歯科麻酔担当の歯科医師に支払われる報酬は数万円以上になるため、とても健康保険の120点からは補填できず、患者から自費治療分として請求している事が多い。(ウィキペディアより)

現在鎮静法が保険で評価されて来ている。

反応に鈍くなって記憶に残っていない健忘効果

インプラントの記憶が残らない健忘効果

静脈内鎮静をおこなうと緊張状態が改善され、血圧を10~20程下げる効果が有る。
器具を入れると吐き気がする場合治療が可能になる。恐怖感からの開放効果がある。吐き気の場合、数回鎮静剤で治療行うと患者の心理的な慣れなのか、以後鎮静剤を使用しなくても治療可能な患者がいる事に気が付く。吐き気は恐怖感の裏づけだった可能性を示唆する。

静脈鎮静でインプラントの患者さん

ミダゾラム+プロポフォールで鎮静
ミダゾラム注射の後テルフュージョンシリンジポンプでプロポフォールを持続的に注射して鎮静 歯科はあまり深い鎮静だと口を開けなくなり治療になりません。治療部位と気道が同一なので注意が必要

全身麻酔

完全に麻酔状態で意識を取って治療するので、気管内送管を行って
呼吸循環が完全に管理された状態。
送管する時 筋弛緩剤で呼吸を止めて送管を行い、麻酔器に接続し全身麻酔を維持
全身麻酔は吸入麻酔と静脈麻酔とある
手順は前もって前投薬(アトロピン ジアゼパム等筋注)して、静脈麻酔剤(チオペンタール ドルミカム等)で意識を落とし、SCC(サクシン脱分極性筋弛緩剤)で呼吸を止めて(喉頭痙攣防止して動かないようにする、咳き込まれると送管しづらい)歯科では殆ど経鼻挿管する。喉頭鏡で喉頭展開して声帯を明示して、マギール鉗子でチューブを気管に送り込む。スタイレットはですから使えない。カフを膨らませないと、気道閉塞の原因になる。以前はハロセンやペントレンの時代でしたが。NLA法ではメジャートランキュライザーのドロペリドールとフェンタニール(モルヒネよりかなり強力な合成麻薬)は結構術後痛み無く良かった。この場合非脱分極の筋弛緩剤のパンクロニウム等が使用され、人口呼吸器で呼吸管理された。ケタラール等も点滴使用されます。
経鼻挿管は小指程の太さのチューブを挿入するので、終わってから鼻の痛み 喉頭鏡で喉頭展開するので数日痛くて声が出ない、物が飲みにくいと言った事がある。SCCを使うと線維束攣縮で後で筋肉痛が有る。
麻酔の過程は煩雑で、日本では通常の歯科治療では行いません。大きな外科処置のみ。
アメリカでは状況が違っていて、結構頻繁に行われているようです。麻酔処置だけで患者の支払いは10万円単位、歯科治療は数十万単位の金額ですから、頻繁に行われるようです。
日本で保険でこの様な事行ったら。病院は直ぐ倒産します。
(原価を割って安すぎるからです)